世の中に膝関節の痛みに悩む人は数多く存在しますが、その深刻さは人それぞれでしょう。
動く際に、軽い痛みを覚える程度の人もいれば、歩行が困難な状況に陥っている人もいます。
重症な人にとって、救いとなり得るものの一つに人工膝関節があります。
変形性膝関節症や関節リウマチ等が進行すると、関節を覆っている軟骨が削り取れてしまうことがあります。
そうなると、軟骨の下の骨がむき出しの状態になり、関節の表面が凸凹になることで、関節の骨が少しずつ削り取られてゆきます。
最終的には、膝が曲がったり、動きが悪くなったり、ぐらついて不安定になったりし、何よりも痛みが強くなります。
ある程度進行した関節の変形や骨の破壊は、手術をしないと進んでしまう確率が高く、将来的に歩行が困難になることがあります。
こうした場合に、膝関節を人工のもの(人工膝関節)に置き換える手術が、人工膝関節全置換術です。
膝関節の軟骨の磨耗や骨の変形が強く、内服薬、外用薬、関節内注射、理学療法などの保存療法をしても強い痛みや歩行障害が残る場合に、この手術の対象となります。
人工膝関節全置換術は、膝関節の痛みに悩む人にとって最後の切り札と言っても過言ではないでしょう。
◆有効性
・痛みはほとんどなくなります。
・関節の動く範囲は手術前と同じか、少し良くなる場合が多いですが、手術後のリハビリテーション次第と言えるでしょう。
・スムースに歩けるようになることによって、腰痛が軽くなったり、足関節への負担が減少します。
・鎮痛剤等、薬剤使用量の減少を期待できます
◆限界
人工関節は永久的なものではありません。長い間に骨との間の固定がゆるんでしまうことがあります。
一般的には術後10年間ではおよそ90%の人がゆるまずにもちますが、その後はゆるむ確率が徐々に増加していくと言われています。
そうなると、予想よりも早く入れ替えの手術が必要になることもあります。(5年でゆるんでしまった例もあります)
このように、人工膝関節全置換術はとても高い効果を期待できますが、万能ではありません。
手術を受けるかどうかは、熟考の上、担当の医師とよく相談して慎重に決めるのが良いでしょう。